流動性知能との対比
初見の問題から規則を見つける流動性知能に対し、結晶性知能はすでに持っている引き出しの豊かさとその取り出しやすさに依存する。両者は独立ではなく、流動性の働きで得た理解が蓄積されて結晶性の一部になるという関係にある。年齢との関係は対照的で、流動性は成人期の比較的早い時期にピークを迎えて緩やかに低下する一方、結晶性は経験の蓄積とともに長く伸び続けうる。総合的な知的働きが中年期以降も高い水準で保たれるのは、この二つの推移が打ち消し合う面があるためと説明される。
測定における位置づけ
標準化された知能検査では、語彙や一般知識を問う下位検査が結晶性の側面を捉えている。これらの課題は教育歴や母語の影響を強く受けるため、文化や言語の異なる集団を比較する目的には向かない。逆に、同一の教育背景を持つ集団の中で学習の到達度を把握する目的では有用である。検査の総合値が同じでも、流動性寄りか結晶性寄りかで内訳はまったく違うため、数値だけを見て能力の性質を推し量ることはできない。