WPM の計算方法
WPM の算出には「粗 WPM」と「純 WPM」の 2 種類がある。粗 WPM は入力した全文字数を 5 で割り、経過分数で除したものである。純 WPM (Net WPM) は粗 WPM から 1 分あたりのエラー数を差し引いた値で、正確性を加味した実質的な速度を示す。たとえば 1 分間に 250 文字を入力し、5 単語分のエラーがあった場合、粗 WPM は 50、純 WPM は 45 となる。粗 WPM だけを見ると誤打の多い入力を過大に評価してしまうため、実力の目安には純 WPM を使うのが基本になる。
タイピング速度の分布と向上
16 万 8 千人・1 億 3,600 万打鍵を分析した 2018 年発表の大規模研究 (アールト大学ほか) では、オンラインテスト参加者の平均は 51.56 WPM (標準偏差 20.2) で、分布は速い側に長い裾を持つ。最速クラスの参加者は 120 WPM 以上に達し、修正されないまま残るエラーの割合は平均 1.167% だった。同研究では、正式なタイピング訓練を受けた人とそうでない人の速度差は平均 5 WPM 程度にとどまることも示されており、練習の質が速度を左右することがうかがえる。速度を上げるにはまずタッチタイピングを身につけ、そのうえで同じ指運びを繰り返して定着させることになる。初期は正確性を優先し、エラー率が十分に下がってから速度を上げるほうが、あとから誤った指運びを直す手間が少ない。
日本語タイピングとの違い
日本語のタイピング速度測定では、ローマ字入力の打鍵数や、変換を確定したあとの文字数を基準とする方法がある。ローマ字入力では 1 文字を打つのに複数の打鍵が必要になることが多く、英語の WPM とそのまま比較することはできない。さらに、かなを漢字へ変換して候補を選ぶ工程が加わるため、打鍵の速さだけで実際の入力速度は決まらない。日本語の速度指標としては「1 分あたりの文字数」や「1 分あたりの打鍵数 (KPM)」が用いられることもある。