協応の神経メカニズム
手と目の協応には複数の脳領域が関与する。後頭頂皮質は視覚情報を運動計画に変換する中継点として機能し、到達運動の方向と距離を計算する。運動前野と補足運動野は運動プログラムの生成を担い、一次運動野が最終的な運動指令を脊髄に送る。小脳はリアルタイムのエラー修正とタイミング調整を行い、動作の滑らかさと正確性に寄与すると考えられている。これらの領域間の情報伝達には遅延が伴うため、高速な動作では予測的な制御が重要になると説明されている。
エイムテストとの関連
コンピュータ上のエイムテスト (マウスやトラックパッドでターゲットをクリックする課題) は、手と目の協応を定量的に評価する代表的な方法である。Fitts の法則によれば、ターゲットまでの距離が大きいほど、またターゲットのサイズが小さいほど、到達に要する時間は増大する。e スポーツプレイヤーは一般人と比較して高い精度と速度を示す傾向が報告されており、長時間の練習による視覚運動変換の最適化を反映していると考えられている。
加齢と訓練による変化
手と目の協応は幼児期から青年期にかけて急速に発達し、成人期の早い段階でピークに達するとされる。その後は緩やかに低下するが、日常生活に支障をきたすレベルまで低下するのは高齢期以降とされる。加齢による低下の主因は視覚処理速度の減少と運動制御の精度低下である。訓練による改善は高齢期でも見込めるとされ、ビデオゲームのプレイが高齢者の手と目の協応の成績と関連することを示した報告もある。定期的な練習は神経回路の効率の維持につながり、加齢に伴う低下を緩やかにすると考えられている。