遺伝的基盤と分類
クロノタイプの個人差は主に時計遺伝子の多型に起因する。PER3 遺伝子の VNTR 多型では、5 回繰り返し型を持つ人は朝型傾向が強く、4 回繰り返し型は夜型傾向を示す。CRY1 遺伝子の変異は概日周期を延長させ、極端な夜型を生む。人口の約 25% が明確な朝型、約 25% が明確な夜型、残り 50% が中間型に分類される。年齢による変動も大きく、思春期に夜型へシフトし、加齢とともに朝型に戻る傾向がある。ミュンヘンクロノタイプ質問票 (MCTQ) で客観的に評価できる。
社会的時差ボケと認知機能
社会的時差ボケとは、生物学的な睡眠リズムと社会的に要求される活動時間のずれを指す。夜型の人が早朝に起床を強いられると、生体時計上はまだ深夜であり、前頭前皮質の機能が十分に覚醒していない状態で活動することになる。この状態では反応時間が 10-20% 延長し、注意のラプスが増加する。研究によれば、社会的時差ボケが 2 時間以上の人は学業成績や仕事のパフォーマンスが有意に低下する。クロノタイプに合った時間帯に認知テストを受けることで、真の能力に近いスコアが得られる。
テスト時間帯の最適化
Bench でのテスト成績を最大化するには、自分のクロノタイプに合った時間帯を選ぶことが重要である。朝型の人は起床後 1-3 時間 (概ね午前 8-10 時) に認知機能のピークを迎え、夜型の人は午後から夕方 (概ね 16-20 時) にピークとなる。自分のクロノタイプを知るには、休日に目覚ましなしで起きる時刻の中間点 (睡眠中央値) を 2 週間記録する方法が簡便である。睡眠中央値が午前 3 時以前なら朝型、午前 5 時以降なら夜型の傾向がある。テスト結果の日内変動パターンからもクロノタイプを推定できる。